巡回指導とは

巡回指導とは

巡回指導とは、公益社団法人全日本トラック協会(地方貨物自動車運送適正化事業実施機関)が、貨物自動車運送事業法に基づき実施している指導です。
巡回指導と特別巡回指導の2種類に分かれます。

巡回指導
・新規許可業者以外
・通常は2~3年に1回程度
・悪質事業者等を優先的に行う
特別巡回指導
・新規許可事業者
・運輸開始届後1ヶ月後~3ヶ月以内
・全新規許可事業者に対して行う

ここでは、主に特別巡回指導について紹介します。

特別巡回指導とは

特別巡回指導とは、新規運送会社立ち上げ(新規許可事業者)または、新規事業所を立ち上げた場合に、事業許可申請→事業開始→運輸開始届後、1ヶ月後~3ヶ月以内に必ず行われる巡回指導のことです。

特別巡回指導の対象企業

トラック協会の会員・非会員関係なく、すべての新規許可事業者が対象となります。

特別巡回指導の目的

特別巡回指導の目的は、貨物運送業の新規許可事業者に対して、貨物自動車運送事業法に基づいて事業を実施できているかどうかチェックするために行われます。

特別巡回指導の流れ

特別巡回指導の流れは以下の通りです。

巡回指導実施の通知

まず巡回指導実施日の約2週間~1ヶ月前に、対象企業に「巡回指導通知書」がトラック協会から郵送またはFAXで通知されます。
その通知書類の中に

  • ・実施通知書(指導日の記載)
  • ・自主点検票
  • ・当日必要になる書類の記載した紙面

の3点が入っています。

巡回指導調査について

巡回指導当日

指導当日は、指導員と呼ばれる地方貨物自動車運送適正化事業実機関から適正化事業指導員(2名1組)が実施企業に訪れ、約2~3時間程確認作業を実施する。
自主点検表、用意された書類等に基づいてチェック・ヒアリングが行われ、指摘事項があればその場で改善指導が行われます。

巡回指導実施後の対応

巡回指導の実施後は、実施企業に以下対応が求められます。

  • ・改善報告書の提出(巡回後3ヶ月以内):指摘事項を改善し、改善報告書にまとめ適正化事業実施機関に郵送する
  • ・巡回指導の結果、改善結果等が運輸支局へ報告され、今後の監査等の資料となる
  • ・結果がD、E評価になった場合、運輸支局による監査が実施される可能性がある

巡回指導の指導項目とは

巡回指導の指導項目は、全部で7区分、38項目あります。

  • 1.事業計画等
  • 2.帳票類の整備・報告等
  • 3.運行管理等
  • 4.車両管理等
  • 5.労働法等
  • 6.法定福利
  • 7.運輸安全マネージメント

巡回指導における評価基準とは

各指導項目は「適」か「否」で評価され、総項目数に対する「適」の割合で、次の5段階で評価される。

  • A:適正に行われている項目が90%以上
  • B:80%以上~90%未満
  • C:70%以上~80%未満
  • D:60%以上~70%未満
  • E:60%未満

DやEの評価になると、適正に事業を行っていないとみなされ、監査の対象になる可能性があります(Eの評価を受けた場合は、事業計画の変更認可が受けられない場合があるので注意です)。

各項目の具体的な確認事項とポイント

指導項目には最重要項目と重要項目があります。

  • ・最重要項目:◎
  • ・重要項目:〇

(1)事業計画等

  • 〇営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか
  • ・自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか
  • 〇乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か
  • ・乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か
  • ・届出事項に変更はないか(役員・社員、特定貨物に係る荷主の名称変更等) (本社巡回に限る)
  • 〇自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラの利用等)はないか
  • 〇名義貸し、事業の貸渡し等はないか

(2)整備、報告等

  • ・事故記録が適正に記録され、保存されているか
  • ・自動車事故報告書を提出しているか
  • ・運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか
  • ・車両台帳が整備され、適正に記入等されているか
  • ・事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか(本社巡回に限る)

(3)運行管理等

  • ・運行管理規程が定められているか
  • ◎運行管理者が選任され、届出されているか
  • ・運行管理者に所定の研修を受けさせているか
  • ・事業計画に従い、必要な員数の運転者を確保しているか
  • ◎過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、 休憩時間、 睡眠のための時間が適正に管理されているか
  • ◎過積載による運送を行っていないか
  • ◎点呼の実施及びその記録、保存は適正か
  • 〇乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か
  • 〇運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か
  • 〇運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か
  • ◎乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか
  • 〇特定の運転者に対して特別な指導を行っているか
  • 〇特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか

(4)車両管理等

  • ・整備管理規程が定められているか
  • ◎整備管理者が選任され、届出されているか
  • ・整備管理者に所定の研修を受けさせているか
  • ・日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか
  • ◎定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか

(5)労基法等

  • 〇就業規則が制定され、届出されているか
  • ・36協定が締結され、届出されているか
  • ・労働時間、休日労働について違法性はないか(運転時間を除く)
  • 〇所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか

(6)法定福利

  • 〇労災保険・雇用保険に加入しているか
  • 〇健康保険・厚生年金保険に加入しているか

(7)運輸安全マネジメント

  • ・運輸安全マネジメントの実施は適正か

巡回指導必要書類とは

(1) 許認可申請書及認可書等

  • ・経営許可申請書
  • ・事業計画変更認可申請書
  • ・変更届

(2) 帳票類

  • ・運行・整備管理規程
  • ・運行管理者・整備管理者選任届(控)
  • ・運行管理者・整備管理者研修手帳
  • ・運行管理者資格者証
  • ・基礎講習受講証明書(補助者に限る)
  • ・運転者台帳
  • ・点呼記録簿
  • ・乗務記録(運転日報)
  • ・運行記録計による記録(タコチャート、デジタルタコグラフ)
  • ・運行指示書(2泊3日運行以上)
  • ・運行計画及び乗務割当表
  • ・乗務実績一覧表(拘束時間管理表)
  • ・乗務員(運転者)への指導教育計画表・同記録簿
  • ・適性診断受診結果表・同計画表
  • ・運転記録証明書又は無事故無違反証明書
  • ・事故記録簿
  • ・自動車事故報告書(控)
  • ・車両台帳(車検証コピー可)
  • ・出勤簿
  • ・役員変更届
  • ・事業報告・事業実績報告書(控)
  • ・日常点検表・日常点検基準
  • ・定期点検整備記録簿・定期点検基準
  • ・定期点検整備実施計画表
  • ・賃金(給与)台帳
  • ・就業規則
  • ・労基法36条協定(サブロク協定)
  • ・労働保険概算確定保険料申告書
  • ・雇用保険加入台帳
  • ・健保・厚生年金加入台帳

(3) 経理関係

  • ・総勘定元帳
  • ・経費明細簿
  • ・現金出納帳
  • ・固定資産台帳
  • ・リース契約書(※場合によって、施設の写真を求められる場合あり)

巡回指導による罰則(行政処分)とは

巡回指導は、適正化事業指導員に行政処分を下す権限がないため、あくまで指導だけにとどまります。
しかし、巡回指導の結果により、運輸支局による監査が行われ、その結果行政処分がくだされる可能性もあります。

巡回指導に応じなかった場合

巡回指導を拒否またはすっぽかした場合、巡回指導は法に基づいて行われるので、悪質な事業者とみなされ、こちらも監査の対象になる可能性があります。

ドライバーズタイムで作成可能な帳票類

以上のようにとても細かく書類提出が求められますが、ドライバーズタイムを導入することによって下記の帳票がいつでも出力することが可能です。

  • ・勤務報告書
  • ・乗務実績一覧表
  • ・勤務集計表
  • ・乗務割表

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